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 心の葉が枯れていく。
 信用がない。
 人に対して、己に対して。
 誰も俺を大事にしてくれない。
 当然だ、誰も俺にとって大切じゃないのだから。
 友情、欺瞞、愛情、欺瞞、心葉、枯渇、人間、失格。

 誰も俺の事など知らないどこかで、もう一度やり直そうか。
 重たい痼を抱えたまま、仮面をつけて、次第に時の流れの中であまやかに風化され、捏造されるのを待つ。

 偉大なる逃避。
 どこまで走ろう。
 どこまでいけばいい。
 どれだけ遠くに行けば、苦痛も不安も後悔も感じなくなる。
 あとどのくらいで、俺の明日は来なくなる?

 どうせ望まれていない。誰にも、誰からも。
 いつのまにか軸がだいぶぶれていた。
 笑顔の裏のよそよそしさに気付いてしまった。



 もう色々やってられないよな。
 抗鬱剤をください。
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孤独も、苦痛も、不安も、後悔も、すべて俺一人のものだ。
構いやしない、どうせ移り気な人間だ。気なんかいくらでも変わる。
名前も、個性も、人生だって変えてしまおう。
そうすれば、そのうちに元の自分なぞ思い出せなくなるに違いない。
それでいい。
なあ、そうだろ?

人の身体の細胞は時間をかけて入れ替わる。
なら魂までも入れ替えてしまえばいいのだ。
信仰は最初から持ち合わせていない。
信念なんていくらでも曲げてやる。
信頼など、疾うに失っていたのだろう?
そんなものばかり要求する現実には、俺もすぐにでも幻滅してしまえばよかったのだ。
世間が口にする「自分らしさ」。身体という器があってようやく「それらしく見える」ような気がするだけの、空っぽで、驕り昂ぶった押し付けの「自分らしさ」、そんなものを信じるな。親切なふりして強要してくる友人という名の他人を、信じるな。
目で見えないものにこそ真実がある、なんて話も聞くが、所詮それだって自己欺瞞だ。「そうあってほしい」という勝手な思い込み、自己強要、あるいは他者からの押し付け、それはアリガタ迷惑以外の一体何か?
振り回されるのにはもううんざりした。
勝手気ままに生きれば良かったのだ。
我侭だ、無責任だといわれようと、孤独に行き、遊び、刹那の中で死ねば良かったのだ。
「お前が心配だ」
誰かの声がする。
だがもうその声は届かない。

こそこそと、俺の知らないところで世界は動く。
気がふれてしまったと嘆くふりをし、あるいは潔く嘲り、あるいは侮蔑とともに同情を向ける。
俺の行為には、呼吸一つ、瞬き一つ、鼓動一拍にまで狂気という理由がつけられる。
「奴は狂っている。奴は気違いだ」
もはやその言葉も聞き飽きた。
だったらそんなもの捨ててしまえばいい。
今日でこの世界ともサヨナラ、今まで世界と思っていたモノたちでさえ、所詮この俺の脳が作り出した、欺瞞。



だから壊すのだ、裏切るのだ、この愛も、肉親も、友も、世界も。

孤独こそがわが友 ハムレット

06.11 (Mon) 23:59 [ 衝動 ] CM0. TB0. TOP▲
俺はもうだいぶ前から狂っているんだって。
たまたまそれが、あることをきっかけに表出しただけなんだ。
だから、君たちがそれを心配するのは、ある面で正しくて、ある面でやはり間違っている。
だって俺はもう、だいぶ前から狂っていたのだから。

俺はクソ小さなプライドにしがみついて生きている。
所詮クソみたいな人生の、その根幹にあるクソみたいなプライドにしがみついている。
「最近のお前は変だ」
ああ、知っているよ。俺はもうずっと前からあることに意固地になっている。
偏頭痛はあれを境に頻繁に起こるようになった。
自分が今目覚めているのかそうでないのか、判然としないことだってある。
空虚であやふやな感覚のみで生きている、かげろうのように胡乱な今を生きている。
君たちがそれを指摘するのは分かるよ、だって今の俺は、君らがいうこところの“俺らしくない俺の姿・・・・・・・・・”をしているのだから。
じゃあ、“俺らしさ”ってなんだよ?
“男気見せろよ”意味わかんねえよ。
そんな予定調和な期待を俺に向けないでくれよ。
俺はもうずっと前から壊れていたんだ。
いきなり人生がどうにかなっちまったわけじゃない。
俺はもうずっと前から転げ落ちていたんだ。
今さらしっかりしろなんていわれたって、急に生き方が変わるわけじゃない。
もう充分に遅すぎるんだよ、俺はもう終わっているんだ。
俺はもうずっと前から何も持ち合わせちゃいない。

もしも俺に何かあったら、君たちはこの私心めいた殴り書きを引き合いにするかもしれない。
その時憤りを感じるのなら、それはそれで仕方がないし、そのほうがむしろありがたいかもしれない。
人一倍寂しさを感じる人間の、傷つかないための、転ばぬ先の杖ってやつなのだろう。そして同時に、その記憶は、“狂った俺という人間がいた”ということを証明する、ささやかな証になる。
今の俺に、今の俺自身を変えるすべなんてないんだ。
それは俺が今俺が抱える問題から逃げているからだとも充分に思うけれど、所詮そういう君たちは、どこまで行っても“他人”でしかない。
君たちが俺のことを思ってくれるのはありがたいけれど、それが何にもならないことを、俺は知っている。
常人に分かるわけがないんだよ、自分のことを一番信用できない、消してしまいたいとさえ思っている人間のことなんて。

こんなことばかりいっていると、そのうち君たちは俺の側からいなくなるのだろうね。
それは悲しいことだけれど。
俺は俺自身が一番信用できていない。
俺は俺自身が狂ってしまっていることを自覚しながら、もはやどうすることもできない。
そして君たちにもどうすることもできず、やがて君たちは俺を信用しなくなる。
もう相談事をすることのできるような、ご立派な俺はいないんだよ。
残念だね、もう少し、誰かの役に立てる人間になりたかった。



なんでこんなふうになってしまったんだろうね?
今一番この世で憎んでいるのは、俺という存在、そのもの。
04.21 (Sat) 00:00 [ 遺す言葉 ] TOP▲
 【2月3日】学内 部室

 学年末試験期間が終了した2月。やることのなくなってしまった学生生活。
 まだある学校行事といえば、2週間ほど先に始まる大学受験の一般入試期間と、卒論担当教授との口述面談試験、あとは卒業式くらいのもので、今から躍起になって、どうのこうのとしなければならないことはない。
 あるいは、やれることはもはやない、というべきか。
「ああやったよ、もう充分といっていいほどやった。俺にやれることはもうないね、あとはもう天命を待つだけです」
 昼夜逆転の生活が苦だったわけではない。
 一夜漬けの勉強には意味がない。よく中高の教諭がそんなことをいうが、悲しいかな日本の大学の、それも文系の人間の試験なんて、しょせんその程度の努力でどうにでもなる。
 過去の試験問題をもらう、手近な友人や知人に声をかけて必要な単位のノートをコピーさせてもらう、あとは時間を使って試験範囲の内容に目を通し、傾向を読む作業をこなす。自分の持ちうる交際関係を総動員して、そういうノウハウを効率良く、小利口に、あるいはずるがしこくこなすことで、ある程度の成績ならついてしまう。
 数字だけが結果。きわめて合理的で、システマチックなプレ社会。
 結果ではなくその過程に意味があるのだ、なんて熱血なフレーズは、しょせん疲れた社会の取りたがるポーズなのだ。
 まあ、そういう屁理屈ばかりにかまけてここまでやってきたからこそ、試験勉強の億劫さといったらないわけなのだけれど。
 よく世間一般の思い描く大学生活というやつは、前途ある有望な青少年を駄目にする、堕落させる日々だ。そう思ってトキオは思わず吹いた。前途有望な青少年だったかどうか、今になってみれば定かではない。むしろ自分は、どこにでも落ちているただのガキで、それがただ年食っただけのことだ。
「高校の時だか浪人中だか忘れたけどさ、テレビで大学生の学力不足がどうのってよくいってたじゃん。バカじゃないのとか思ってたけど、あれって意外と現実なのな」
 コンクリートの天井までゆるゆると立ち上った煙草の煙が、静かに空気に溶け込んで、部屋全体に降り積もっていく。エアコンの送風が少々カビ臭かったが、かまわずつけたままにしていた。
「それって、自分のことですか?」
 テレビモニターと睨めっこしていたオオシマがこちらを振り返らずにいった。
 誰かが持ち込んだプレステがカタカタと音を立てる。床の上に投げ出された2Pコントローラーが、ベランダ側から差し込む陽だまりの中に落ちている。
「まあ、俺を含めた世の大学生全般、ってところかね」
「真面目にやってる人だっているでしょ。トウジロ先輩とか、ヒロさんとか」
「あいつらはそーゆうんじゃないだろ。かたや商社勤めのバリバリエリート志望、かたや学者肌の文学オタク。俺みたいな中途半端で、これといって取り柄のないニーチャンとは違うのよ」
「自分でいいますか、そういうこと」
 テレビのステレオからコンボが決まったSEが流れる。必殺技のエフェクトが、1Pの周囲を取り巻く敵兵達をことごとく薙ぎ払う。
「いっちゃうねえ、俺は」
 短くなったゴロワーズを灰皿で揉み消す。
「マンガの主人公みたいに、頑張れば頑張っただけ強くなれる、みたいな? そんな生命力も、図太い神経も、持ち合わせちゃいないのよ、俺はさ」
 机の上の手近な場所に投げ出されていたジャンプ。部員の誰かが置いていったのだろう今週号のページをぱらぱらとめくりながら、ぼんやりと過ごす、残りわずかな学生の時間。
 ああ、俺はきっと何者にもなれないんだなあ、というありきたりな失望感。
 まあ、もともと特別なオンリーワン、なんていっていたところで腹は一杯にはならんしなあ、というごくありふれた実感。
 血反吐を吐くほどの努力とか、ご大層な夢とか、そういう暑苦しいものから逃げ出してどれくらいが経ったか。モラトリアムという居心地の好い不自由さ。この世に生を受けた瞬間から、この身に自由なんてありゃしないのさ。卑屈に徹する自我との葛藤。相変わらずの思春期だ、そうトキオは感じる。
「さて、と」
 どっかりと腰を下ろしていたソファから立ち上がり、携帯とコートを持った。
「ちょっと出てくる」
「あ、コンビニすか? お茶買ってきてほしいんですけど」
「いーや。4年のスタチー会。てか、自分で買いに行けよ、どうせヒマなんだろ、お前」
 パタン、と部室のドアを閉じる。
 どうせヒマなんだろ。
 モラトリアムを暗喩する言葉。
 トキオにとって、これは最後のモラトリアムだ。
「なんだかねぇ」
 働きたくないよぉう、と。
 長い部室棟の廊下に、間延びした鼻歌が小さく響いた。
04.18 (Wed) 21:41 [ mistake ] CM0. TB0. TOP▲
【*】

 23になるまでに得てきたものはなんだろう。
 その数字に意味はないけれど。
 23になるまでに失ったものはなんだろう。
 あるいは今の僕に、何か意味はあるのだろうか。
 
 ただ光陰は矢の如く、日々は流れた。
 多くのものを知らないうちに失ったように思う。
 確信としてあるわずかな何かでさえ、手の中でおぼろげだった。

 それでも、僕は行かなければならない。
 何かを見捨て、
 あてどなく続く、不確かなこの道を。

   [Mistake ―― Words that we couldn’t say.]

   【3月10日】4年生 自室

 兎にも角にも、徹頭徹尾、言語道断に頭の中が真っ白になった。
 椅子に座っていた腰から力が抜け、足の爪先からは見る見るうちに血が引いていき、寒さを感じた。
 冗談じゃない。瞬きを二、三度したあと、不規則な動悸を鎮めようと深呼吸をする。
 机の上の携帯を取り、待ち受け画面を開こうとした拍子に手からすべり落とした。
 そうだ、ひとまず落ち着こう。今の俺はどうかしている。
 まるで、まるであれだ、ほら。
 ベタなマンガのシチュエーションじゃないんだから。
「まー、しかし。なんだな、これは。ぜんぜん笑えないじゃないか」
 改めて口にするまでもなく、しくじった、しでかした、という重たい感触が体を押しつぶそうとする。
 拾い上げた携帯の着信履歴から、誰と気にせず番号を呼び出して通話ボタンを押した。指先の感覚がイマイチ不確かだった。
 あー、うほん。うー、えー、あー。あー、えー、いー、うー、えー、おー、あー、
 呼び出し音が切れた。がちゃがちゃと向こうで電話を取る音がする。
『――はーい、もしもし?』
「あ? 誰だ、お前」
 はあ? 起き抜けにいきなり電話かけてきたのアンタでしょ。何いってんのよ、切るわよ。
 鼻にかかったおもちゃのように高い声が眠たげだった。履歴を見る。
 高野みちる。チルチルミチルのミチル。
 ああ。タカノか。
 一つ深呼吸。
「あー、タカノか。いや、俺だけど」
 わかるわよ、トキオでしょ。眠たげな声が一つ欠伸をしたあとで寝返りを打った。まだベッドの上だったらしい。いや、そんなことはどうでも良かった。
「まだ寝てたのか、お前」
 部屋の時計を見上げる。正午を回ったころだった。
『あー、うるさいね、頭に響く…』
 ケホ、ケホと小さく咳き込んだあと、また唸るような声と、布団を跳ね除ける音がした。
『ノドとアタマが痛い』
 そう答えたタカノの声はいつもより弱々しく、不覚にもいつもより可愛いと思った。
「カゼか?」
『んー、なんか昨日あのあと部屋に帰ってから急に寒気がして』
 じゃあ、まあカゼ引いたんだろうな。サイアクじゃん、二日酔いと一緒にカゼがくるとか。早めにあがればよかったんだよ、わざわざ付き合う必要なんてなかったんだから。
『るっさい…。んで、なに? ようやっとウチの悩みのタネの脚本家様が最後のシーンを書き上げてくれたから、わざわざ演出のアタシに電話くれたわけ?』
「いや、そんなのどうだっていいだろ」
『良くないわよ、おかげで稽古場のフンイキそわそわしてるし、照明とか音響からも早くしろって、釘刺されてるんだから』
「ああ、うん。それはまた別に申し訳ないというか、面目ないというか、急ぎ完成させたい気持ちもやぶさかではないんだが、それはそれでおいといてというか、なんだ? 学生の本分も大事だよねというか」
『なによ。早口でまくし立てて、なんかあったの?』
「いや、それがだなあ…」
 一息間を置いた。それはごくごく自然な間だった。
 パソコンの画面を睨み付けながら、改めて自分にいい聞かせるように口にした。
「ないんだよね、俺の番号」
『…はあ? 意味がわかんない』
「だから、ねーんだよ」
 マウスを操作、右クリックでメニュー表示、“最新の情報に更新(E)”をクリック。
 表示されていたAdobeのモニターが更新されるが、そこにはやはり映し出されない。
 卒業者発表の一覧に表示されない、俺の学籍番号。
「5年生、になるっぽい、俺…」
 数秒後、耳をつんざくような驚嘆の声が携帯のスピーカーの向こうでした。
04.16 (Mon) 00:00 [ mistake ] CM0. TB0. TOP▲
  
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